石原慎太郎氏と妻・典子夫人の出会いは、終戦から間もない1950年代初頭にまで遡ります。当時、慎太郎氏は一橋大学(旧制東京商科大学)の学生で18歳、典子夫人はまだ12歳の多感な少女でした。
二人はもともと遠縁の親族関係(慎太郎氏の母・光子氏の兄の娘、すなわち従姉妹)にありました。神奈川県逗子市で過ごしていた石原家に、神戸の裕福な家庭で育った典子夫人が訪れたことが最初の接点です。当時からすらりとした手足でクラシックバレエを習っていた典子夫人の姿は、若き慎太郎氏の目に強烈な美しさとして焼き付きました。
慎太郎氏は後に自著や回想録の中で、少女時代の典子夫人について「手足が長く、まるで異国の絵画から抜け出してきたような美少女だった」と述懐しています。一方の典子夫人にとっても、破天荒で文学やスポーツに情熱を燃やす6歳年上の従兄は、眩しい憧れの対象でした。幼少期からの家族ぐるみの付き合いが、二人の間に特別な親愛の情を育む土台となったのです。