あべ静江の原点は、地元・東海地方での学生DJ時代に遡ります。透明感のある美声と端正な顔立ちで地元で絶大な人気を誇っていた彼女は、1973年5月にシングル「コーヒーショップで」で鮮烈な歌手デビューを飾りました。切ないメロディと透き通るようなボーカルは瞬く間に全国を席巻し、第15回日本レコード大賞の新人賞を獲得しました。
同年9月にリリースされた2枚目のシングル「みずいろの手紙」は、「お元気ですか、そして今でも愛していると言ってくださいますか」という印象的なセリフから始まる名曲で、彼女の代名詞となりました。翌1974年には『NHK紅白歌合戦』に初出場を果たし、トップスターの地位を不動のものにしました。
陶器のような白い肌、吸い込まれそうな大きな瞳、気品漂う佇まいは当時の歌謡界でも群を抜いており、「美しすぎるアイドル」として雑誌のグラビアや映画、テレビドラマのヒロインとしても引っ張りだこになりました。その美貌は単なるアイドルの枠を超え、時代を象徴するミューズとして記憶されています。