芸能界屈指のサラブレッド家系として知られる高島家ですが、その血統は単に俳優業にとどまらず、宝塚歌劇団のトップスター、さらには日本の音楽史を塗り替えた名プロデューサーまでを内包する類稀な文化的閨閥(けいばつ)を形成しています。
家系の中心に位置するのは、1951年に新東宝へ入社し、長身と明るいキャラクターで映画界のスターとなった高島忠夫さん(2019年逝去、享年88)です。忠夫さんは1963年、当時の宝塚歌劇団星組男役トップスターであった寿美花代さんと世紀の結婚を果たしました。宝塚の至宝と映画スターの成婚は、日本中を歓喜の渦に巻き込みました。
忠夫さんの実弟である高嶋弘之氏は、東芝音楽工業(後の東芝EMI)の敏腕ディレクターとして、無名に近かったイギリスのロックバンド「ザ・ビートルズ」を日本に紹介し、社会現象を巻き起こした伝説の音楽プロデューサーです。その弘之氏の娘として誕生したのが、後にクラシック界の常識を覆すヴァイオリニストとなる高嶋ちさ子さんです。
世間一般では「高島ファミリー」といえば忠夫さん夫妻と政宏さん・政伸さん兄弟の核家族を指すケースが多いものの、血縁関係を俯瞰すると、高嶋ちさ子さんの一家と緊密に繋がっていることが明白です。表現者としての才能が極めて高濃度に凝縮された家系といえます。