「Why not」の構造は非常にシンプルですが、使われる文脈によって担う役割が大きく変化します。混乱を避けるためには、まずネイティブが頭の中で使い分けている3つの基本パターンを整理して把握することが最短の近道です。
第一の用法は、相手からの誘いや提案に対する「賛成・快諾(もちろん・ぜひ)」です。「反対する理由が何一つない=100%賛成だ」という論理から生まれた表現で、日常会話で最も頻出するパターンです。たとえば「Do you want to grab some coffee?(コーヒーでも飲みに行かない?)」と聞かれた際に「Why not!」と返せば、「いいね、喜んで!」という快活な同意になります。
第二の用法は、自分から相手への「気軽な提案(〜してみたら? / 〜しようよ)」です。後ろに動詞の原形を続けて「Why not try it?(やってみればいいじゃない?)」のように使い、相手の背中をポンと押すようなカジュアルな提案を行います。
第三の用法が、学校英語でもおなじみの「否定文に対する理由の聞き返し(なぜダメなの? / どうして〜しないの?)」です。相手が「I can't go to the party.(パーティーに行けないんだ)」と否定文を口にした際、「Why?」の代わりに「Why not?(どうして行けないの?)」と理由を深掘りする際に機能します。