『ケロロ軍曹』の劇場版を語る上で絶対に外せないのが、ナレーションを担当した故・藤原啓治氏をはじめとする豪華声優陣のアドリブと圧倒的な表現力だ。テレビシリーズから劇場版に至るまで、物語の「語り手」でありながら、時には登場人物以上に視聴者の心情を代弁する役割を果たしてきた。
アフレコ現場では、台本に書かれた台詞の行間を巧みに読み取り、その場のノリや間を活かしたアドリブが数多く採用されたという。特に、ナレーションでありながら作中のキャラクター(ポール森山など)との演じ分けや、セルフパロディを交えた掛け合いは、まさに職人技の結晶だった。スタッフ陣も「ナレーションのさじ加減ひとつでギャグの切れ味が変わる」と絶賛しており、声優の個性が作品のグルーヴ感を生み出していたことがわかる。