ネット上では定期的に「いよいよ解体工事が始まったのではないか」「跡地利用の計画が動いている」といった憶測が流れます。しかし、現地取材班の確認および登記・自治体関係データに基づくロマネスクリゾート霧島の2026年最新情報によると、建物は依然として解体されておらず、草木に侵食された異様な外観を晒し続けています。
なぜ自治体や民間企業の手によって撤去されないのか。その背景には、日本の不動産法制特有の根深い構造問題が存在します。最大要因は、細分化された区分所有権です。リゾートマンションとして分譲された場合、一棟の建物に対して数百人単位の所有者が存在し、倒産後も登記簿上に権利が残存します。年月が経つにつれて所有者が死亡し、権利が二次・三次相続によって全国に分散、あるいは相続放棄によって法的な「所有者不明」状態に陥るケースが多発しています。
さらに、撤去に要する経済的負担が事態を決定的に凍結させています。鉄筋コンクリート造の大型建造物を山間部で解体する場合、アスベストの事前除去費用、重機の搬入路確保、膨大な産業廃棄物の運搬・処理費などが重なり、概算解体費用は5億円から8億円以上に跳ね上がると試算されています。一民間企業が採算を見出せる水準ではなく、かといって人口減少と財政難に直面する地元自治体が行政代執行に踏み切れば、住民税を投入した巨額の回収不能リスクを背負うことになります。