北海道と和歌山の「日高郡」は何が違う?町村一覧と歴史・移住の真相

北海道と和歌山の「日高郡」は何が違う?町村一覧と歴史・移住の真相

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双方が「日高」を冠するに至った経緯には、千年以上もの時間の隔たりと、まったく異なる命名事情が存在します。

和歌山県日高郡の歴史は古く、古代律令制の時代(大宝律令以前の7世紀末〜8世紀初頭)にまで遡ります。『日本書紀』や『万葉集』にも紀伊国の「日高」に関する記述が見られ、日高川の流域を中心に開けた豊かな平野部が、古くから政治・経済の要衝であったことが窺えます。平安時代には熊野古道の宿場として栄え、道成寺の創建など仏教文化の聖地としても確固たる地位を築きました。

一方、北海道日高郡の名称成立は明治維新以降の開拓期です。幕末から明治にかけて蝦夷地を探査した探検家・松浦武四郎が明治政府へ提案した国名案のひとつに「日高見国(ひたかみのくに)」がありました。『日本書紀』の景行天皇条に登場する東方の肥沃な土地を指す記述から引用されたもので、これが採用されて1869年に「日高国(ひだかのくに)」が誕生しました。

その後、2006年の「平成の大合併」において、静内町と三石町が合流した際、旧支庁名であり広域シンボルとして定着していた「日高」を採用し、新設された行政区画として日高郡新ひだか町が発足しました。古代からの自然地名を受け継ぐ和歌山に対し、北海道は古代神話の雅名を開拓使が取り入れ、21世紀の自治体再編で結実させたという決定的な歴史的差異があります。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。