こうした健康リスクへの配慮やESG経営(環境・社会・ガバナンス)の高まりを受け、酒類メーカーの販売戦略は180度の転換を迎えました。
業界に強烈なインパクトを与えたのが、アサヒビールによる高アルコールRTD市場からの事実上の撤退宣言です。同社はアルコール度数8%以上の缶チューハイ新商品を発売しない方針を固め、既存の高アルコール商品の終売・販売縮小を迅速に進めました。
この動きは他社にも波及しています。サントリーやキリン、サッポロなどの競合各社も、主力ブランドの軸足を度数4〜6%前後の低〜中アルコール帯や、本格的な果汁感を味わうプレミアム路線、さらにはノンアルコール・微アルコールカテゴリーへと大胆にシフトさせました。
かつては増税やデフレ下の節約志向を追い風に「安く早く酔えるコスパ」が武器だったスト缶市場ですが、企業の社会的責任(CSR)と消費者の健康志向の高まりにより、過激なアルコール度数競争は完全に終焉を迎えました。