劇場版の中核をなす長編エピソードにおいて、物語は「永遠の命」や「不可逆な変容」という重厚なテーマに足を踏み入れる。原作でも読者を慄然とさせた長編の要素が、映画ならではの緻密な作画と演出によって再構築された。
島での事件や怪異との遭遇に見られるのは、古今東西のフォークロアや神話へのオマージュだ。何かを得るためには、同等の代償を払わねばならない。楽園のように見えた場所が、実は強大な欲望と執着が渦巻く異界であったという展開は、王道のダークファンタジーそのものと言える。劇場の大画面で描かれた怪異の圧倒的な威圧感は、彼らが常に隣り合わせで生きている「死」の恐怖を克明に物語っていた。