毎年夏、琵琶湖の空を舞台に繰り広げられる「鳥人間コンテスト選手権大会」において、工学部の航空研究会が見せる執念は凄まじい。数十メートルに及ぶ主翼の設計からCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の積層成形に至るまで、学生たちは気の遠くなるような試行錯誤を重ねる。失敗すれば一瞬で湖面に散る過酷な舞台は、工学教育の縮図そのものだ。
講義室で得た理論を、徹夜のガレージで削り出し、風洞実験で検証する。この泥臭いサイクルこそが、同部が誇るモノづくり精神の源流にある。競技にかける狂気にも似た情熱は、教科書をなぞるだけでは決して身につかない問題解決力を、学生たちの肉体に深く刻み込んでいる。