ビジネスシーンで頻繁に交わされる「左様でございます」というフレーズは、日常会話における「そうです」「その通りです」を極めて丁重に表現した言葉です。相手が述べた事柄や確認事項に対して「間違いありません」「仰る状況に相違ありません」と全面的に肯定・同意する際に用いられます。
国語学者やビジネスコミュニケーション研究者の見解によると、この語の成り立ちは古語の指示副詞「然(さ)」にあります。「然(さ)+様(よう)」で「そのよう・その通り」を指し、本来の漢字表記は「然様でございます」となります。現代の商習慣や公文書で一般化している「左様」という表記は、近世以降に普及した当て字に過ぎません。手紙や公式メールで格調高さを重んじる文脈では「然様」と記されることもありますが、現代の実務では平仮名混じりの「左様でございます」が標準的な表記として浸透しています。
文法構造を分解すると、「左様(その状態)」に断定の助動詞「だ」の連用形「で」、さらに補助動詞「ござる」の丁寧形「ございます」が接続した構成となっています。敬語分類としては、話し手が聞き手に対して丁重に物事を述べる「丁寧語(丁重語)」に属し、相手に敬意を払いつつ事実を肯定する機能を果たします。