競馬界において「競走馬の馬肉事件」が広く知られる決定的な契機となったのが、1986年の米ケンタッキーダービー馬であり日本で種牡馬として供用されていたファーディナンドの屠殺事件です。2002年、種牡馬を引退した同馬が関係者の知らない間に屠殺・馬肉加工されていた事実が海外メディアの報道で発覚し、世界的な大スキャンダルへと発展しました。
日本国内でも、重賞勝利を収めた功労馬やファンに愛された人気馬が引退後「乗馬クラブへ移動」「故郷の牧場で余生」と発表されながら、数年後には行方不明となり、実質的に肥育場や屠殺場へ送られていた事例が幾度となく発覚してきました。ファンに対して実態を伏せ、「処分」を隠蔽する業界の閉鎖的な体質が、事件として大きく糾弾される要因となったのです。