歴代の専属モデルたちは、誌面での成功と俳優としての転機の間でどのような葛藤を抱え、飛躍を遂げたのでしょうか。メンズノンノ歴代人気ランキングでも常に上位に挙がる主要メンバーのキャリアを検証します。
阿部寛:前人未到の43号連続表紙とどん底からの脱却
創刊号(1986年6月号)から阿部寛メンズノンノ表紙最多となる43号連続表紙という大記録を打ち立て、ギネスブックにも掲載された阿部寛。しかし、モデルとしての華々しい成功は、初期の俳優業において「背が高すぎて画面で浮く」「二枚目役しか回ってこない」という大きな足枷となりました。
自著や当時の特番インタビューにおいて「モデル時代の名声が邪魔をして、仕事が激減した時期があった」と述懐している通り、彼はその後、舞台や泥臭い悪役、三枚目役を泥水をすする思いで演じ抜くことで唯一無二の怪優へと進化を遂げました。この阿部寛の苦闘と劇的な復活劇こそが、後輩モデルたちにとっての「モデルの殻を破る」ための原典となっています。
坂口健太郎:専属モデル初の単独表紙と「塩顔」の開拓
坂口健太郎メンズノンノ時代の功績は、メンズファッション界の潮目を完全に変えた点にあります。2010年にオーディションに合格した彼は、色白でスッキリとした目元を持つ「塩顔男子」の象徴として瞬く間に大ブームを巻き起こしました。2014年には、専属モデル単独としては約20年ぶりとなる本誌単独表紙を飾り、モデルカルチャーの主役に躍り出ます。ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』や映画『余命10年』などで見せた繊細な感情表現の根底には、モデル時代に培った空気感の表現が生きています。
成田凌:美容師からの転身と専属卒業に秘めた覚悟
2013年に専属モデルとして加入した成田凌は、元美容学校生という経歴を持ち、ストリートスナップのカリスマとして絶大な人気を誇りました。しかし、俳優としての評価が高まるにつれ、2021年に専属モデルを卒業。成田凌メンズノンノ卒業理由について、当時のインタビューで「モデルという居心地の良いホームに甘えず、俳優一本で勝負しなければ本当の覚悟が生まれない」という趣旨の告白を残しています。その退路を断つ決断が、『カツベン!』や『スマホを落としただけなのに』での鬼気迫る名演へと結実しました。
宮沢氷魚と鈴鹿央士:グローバルな感性と新世代の存在感
アメリカ生まれでバイリンガルの宮沢氷魚メンズノンノ経歴は、多様性の時代における新たなメンズノンノ像を確立しました。2015年にモデルデビューし、映画『エゴイスト』で数々の助演男優賞を獲得。シャープなルックスの奥にある深い人間性を表現できる稀有な俳優として評価されています。
一方、映画のロケ現場で広瀬すずにスカウトされたという伝説を持つ鈴鹿央士メンノンモデル現在のポジションは、Z世代のアイコンそのものです。2019年にオーディションでグランプリを獲得後、社会現象となったドラマ『silent』での好演を経て、モデルとしてのエッジの効いたモードスタイルと、俳優としての親しみやすい等身大の表情を鮮やかに両立させています。