逸見政孝氏の早すぎる逝去後、世間の耳目を集めたのは、残された遺族に降りかかった過酷な現実でした。世田谷区奥沢に完成させたばかりの通称「12億円豪邸」の維持費と、遺された約5億円とも言われる巨額の借金ローンです。
ネット上の掲示板やSNSでは「一家は破産したのではないか」「夜逃げ同然で家を手放した」といった根拠のない憶測が長年飛び交いました。しかし、実際の記録と遺族の足跡を徹底検証すると、家族が血のにじむような努力で責任を果たし抜いた真実が浮き彫りになります。
妻の逸見晴恵さんは、エッセイストとして執筆活動を精力的に行い、夫の死の真相や家族の苦悩を赤裸々に綴った手記を発表し続けました。同時に、講演活動などを通じてがん患者の遺族としてのメッセージを発信し続けましたが、皮肉にも晴恵さん自身も病魔に侵され、2010年10月、肺胞上皮がんのため61歳で逝去されました。
長男である逸見太郎氏は、父の背中を追って芸能界入りし、俳優やキャスターとして地道なキャリアを積み重ねました。特にTOKYO MXの情報番組『5時に夢中!』では、2009年から2012年までメインMCを務め、アクの強いコメンテーター陣を巧みにさばく安定した司会ぶりで視聴者から高い評価を受けました。太郎氏はインタビュー等で、父の遺した莫大な借金について「母とともに一歩ずつ返済を続け、最終的に自宅を売却・清算することで責任を果たした」と明かしています。
太郎氏は現在、落ち着いた語り口を生かしたナレーションや単発のメディア出演、司会業などを中心に活動しており、私生活では一般女性と結婚して温かな家庭を築いています。また、長女の逸見愛さんもかつてタレントやレポーターとして活動していましたが、現在はメディアの表舞台から完全に退き、穏やかな一般生活を送っています。一家が破滅したというネットの俗説は完全な誤りであり、彼らは父と母の名誉を守りながら誠実に現代社会を生き抜いています。