連載終了から長い年月が経過した今なお、作品のエネルギーが衰えないのはなぜか。それは麻生周一氏による緻密な人間観察と、時代を先取りしたギャグセンスによるものだ。超能力者である斉木楠雄が、周囲の個性的すぎる凡人たちに振り回される構図は、多様性が叫ばれる現代社会の縮図そのものである。
誰もが何かしらの「生きづらさ」や「個性の過剰さ」を抱えて生きている。斉木の冷徹ながらも温かい眼差しは、読者にとっての救いでもあるのだ。だからこそ、私たちは今でも彼らの日常に寄り添い、共に「おっふ」とため息をつきたくなる。