追い越しと追い抜きの違いとは?車線変更の罠と違反を防ぐ見分け方

追い越しと追い抜きの違いとは?車線変更の罠と違反を防ぐ見分け方

追い越しと追い抜きの違いとは?車線変更の罠と違反を防ぐ見分け方の重要なポイントについて、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

インターネット上の交通議論で常に白熱するのが「バイクのすり抜けは追い越しなのか、追い抜きなのか」という問題です。朝夕の渋滞路で車列の左側や車間を縫うように走る二輪車について、ネット上では「すり抜けはすべて違法」「追い抜きだから合法」と極端な言説が飛び交っていますが、実態ははるかに複雑です。

まず、車線変更をせずに同一車線内で前車の横をすり抜けて前に出る行為は、形態としては「追い抜き」に近い動きです。しかし、そこには複数の違反リスクが重層的に潜んでいます。

第一に、交差点手前や規制区間に引かれている「オレンジ色の実線」は進路変更禁止区間です。同一車線内であっても、この線を跨いだり踏んだりして前車を追い抜くと進路変更禁止違反に問われます。第二に、信号待ちなどで停止している車の側方を通過してその前に割り込む行為は、道路交通法第32条(割り込み等の禁止)に抵触します。さらに、白の実線で区画された路側帯を二輪車が走行して前に出る行為は通行区分違反です。つまり、「追い抜きそのものは直ちに違法とは言えないが、すり抜けに伴う周辺動作のほぼすべてが道交法違反を誘発する構造」になっています。

もう一つの重大な盲点が、横断歩道とその手前30メートル以内における規制です。道交法第38条第3項では、横断歩道および自転車横断帯の手前30メートル以内の区間において、他の車両を「追い越してはならない」だけでなく「追い抜いてはならない」と明記されています。前方の車が減速または停止している場合、自車線を直進してそのまま横を通り過ぎるだけで即座に違反が成立します。横断歩道の手前では、死角に歩行者がいる可能性が極めて高いため、法律は追い抜きすら例外なく封じ込めています。運転免許学科試験対策における最大の引っかけポイントであると同時に、人身事故に直結する危険領域です。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。