鼻プチの危険性は、見た目のプロポーションの崩れだけにとどまりません。鼻の内部構造、とりわけ大鼻翼軟骨の変形リスクと鼻粘膜の器質的損傷は、将来的な修正手術を著しく困難にするほどの爪痕を残すケースがあります。
大鼻翼軟骨は非常に薄く、しなやかな板状の軟骨です。ここに硬質なプラスチックスティックが日常的に押し当てられると、軟骨組織は持続的な圧迫によって菲薄化(薄くなること)を起こし、外力に耐えかねて折れ曲がったり、左右非対称に歪んだりします。一度いびつに変形してしまった軟骨は、自力で元のカーブを取り戻すことは困難です。最悪の場合、鼻先が不自然につぶれたり、左右の鼻の穴の大きさが著しく異なってしまう機能障害を引き起こします。
さらに深刻なのが、器具と直接接触する鼻粘膜のトラブルです。鼻腔内は外気から異物を排除するための繊細な粘膜と毛細血管で覆われており、外部からの物理的摩擦に極めて弱い構造をしています。サイズが合わない器具の挿入や長時間の接触により、局所の血流不全が起こると、粘膜には以下のような重篤な変化が生じます。
第一に、摩擦による粘膜のびらん(ただれ)と潰瘍形成です。強い痛みを伴うだけでなく、傷口から常在菌が侵入して化膿性炎症を起こし、激しい腫れや異臭を伴う鼻炎を引き起こします。第二に、繰り返される傷と修復のプロセスで過剰な肉芽組織(ポリープ状のしこり)が形成されるリスクです。これが鼻腔内を狭小化させ、慢性的な鼻詰まりや呼吸困難の原因となります。外見を整えるための一時的な工夫が、結果として呼吸機能そのものを損なう事態へと発展しかねないのです。