魚津市は江戸時代以前から蜃気楼の名所として知られ、海の駅蜃気楼の目の前に広がる海岸線は絶好の展望地となっています。しかし、「行けば必ず見られる」という現象ではないため、気象メカニズムと発生時期を正しく把握しておく必要があります。
魚津で見られる蜃気楼には、春(上位蜃気楼)と冬(下位蜃気楼)の2種類が存在します。景色が上方に伸びたり反転して見える有名な「春の蜃気楼」は、4月上旬から5月下旬にかけてが最盛期です。日本気象協会や魚津埋没林博物館などの観測記録によると、春の蜃気楼が年間で観測される日数は平均して年間15日前後〜20日程度にとどまります。
発生しやすい気象条件は明確です。「気温が20℃近くまで上昇する晴天の日」「午前11時から午後3時前後の時間帯」「海上に穏やかな北寄りの微風が吹いていること」という3条件が揃った日には、発生確率が大幅に跳ね上がります。富山湾の冷たい海水層の上に暖かい空気層が乗り、光の屈折率が変わることで、対岸の富山市や草島方面の建物や山並みが伸び上がって見えます。