恋愛のスラングや概念が社会に根付く背景には、常に時代のトレンドを創り出してきたメディアの存在がある。特に集英社が発行するティーン向けファッション誌や少女漫画は、若者の甘酸っぱい恋愛規範を可視化する巨大なメディアプラットフォームとして機能してきた。若者たちが誌面の特集記事やフィクションを通して「恋の段階」を学び、自己の体験と照らし合わせる文化が構築されていった。
作詞家やプロデューサーとして数々のムーブメントを手がけてきた秋元康も、昭和から平成にかけてのエンターテインメント産業において、若者の等身大の情動を詞や映像作品に落とし込み、胸のときめきや戸惑いをポップカルチャーへ昇華させた立役者である。若者の心の機微を捉えたクリエイティブの数々が、恋愛における記号的表現を時代ごとの空気感として浸透させていった背景は見逃せない。