高知東生がなぜ心に大きな空洞を抱え、薬物に依存するに至ったのか。その根底には、幼少期からの極めて複雑で壮絶な生い立ちが存在します。高知は高知県で生まれましたが、実の父親は暴力団の最高幹部であり、母親はその愛人でした。
幼い頃は自分が愛人の子どもである事実を知らされず、親戚の家を転々としながら育ちました。思春期になって初めて出生の秘密を知らされ、激しい自己否定とアイデンティティの崩壊を経験します。さらに高校時代には、最も愛憎を抱いていた実の母親が車ごと海へ飛び込み自死するという悲劇に見舞われました。
若い頃の高知は、自らの血筋や過去を呪い、荒れた生活を送りながらも、そこから抜け出すために上京。モデルや俳優として成功を収めることで過去を塗り替えようと必死にもがいていました。しかし、外見的な成功や富を手に入れても「自分は誰からも愛されないのではないか」という根源的な恐怖が消えることはなく、それが後に依存症へと繋がる引き金となっていたのです。