インターネット上で「深見東州」を検索した際、最も読者の警戒心を誘うのが宗教法人ワールドメイトとの関係です。新宗教に対して警戒感の強い現代日本において、「カルト的な団体なのではないか」「高額な壺や開運グッズを売りつけているのではないか」という先入観を持たれやすいのは避けられない側面です。
ワールドメイトは、1980年代前半に深見東州(当時は青山元男などの筆名も使用)と神道霊能者の植松愛子氏によって創始された神道系の宗教団体(旧称:コスモメイト)です。「ギャグとユーモアで神様を身近に感じる」「現実の社会生活で成功してこそ本物の信仰である」という現世肯定的な教義を掲げ、従来の禁欲的・陰鬱な宗教イメージを覆す独自の布教スタイルを取ってきました。
この団体を語る上で欠かせない歴史的事実が、1990年代半ばから2000年代初頭にかけて行われた東京国税局との全面的な税務訴訟です。当時、税務当局は信徒から集めた「お布施」や「祈祷料」を実質的な対価性のある事業所得であるとみなし、約30億円にのぼる重加算税を含めた追徴課税処分を下しました。全国紙やワイドショーはこの争いを大々的に報じ、世間には「巨額脱税疑惑の教団」というネガティブなイメージが定着することになります。
しかし、裁判の結末は世間の認識とは大きく異なっていました。東京地方裁判所および東京高等裁判所は、ワールドメイト側の経理処理と宗教活動の真正性を全面的に認め、国税側の課税処分をほぼ全面的に取り消す判決を下しました。最高裁判所でも国税側の上告が棄却され、団体の完全勝訴が確定しています。日本の税務訴訟において納税者側が国家機関に完全勝利する確率は数パーセント未満と言われる中、この勝訴判決はワールドメイトの金銭管理が極めて法的にクリーンであったことを公に証明する契機となりました。
今日においても、ワールドメイトでは脱会を法的に制限したり、家族を強制的に分断させたりするような破壊的カルトの特徴は見受けられず、会員の出入りも比較的自由です。奇抜なネーミングや独特の祝詞、深見自身のハイテンションなキャラクターが「怪しさ」のフィルターとなっているものの、法秩序を遵守した枠組みの中で活動を継続しています。