大腸がんの治療成績は、発見時の進行度(ステージ)によって劇的な差が生じます。全国がん罹患モニタリング集計などの最新統計データを見ても、大腸がんの5年相対生存率は以下の通り明確なグラデーションを描いています。
・ステージI(粘膜下層にとどまる早期):約90%〜95%以上
・ステージII(腸壁を越えて浸潤しているがリンパ節転移なし):約80%〜85%
・ステージIII(所属リンパ節への転移あり):約70%〜75%
・ステージIV(肝臓・肺・腹膜などへの遠隔転移あり):約15%〜20%
このデータが示す最も残酷な事実は、「自覚症状がはっきりと出た時点で受診した場合、すでにステージII後半からIII以上まで進行している可能性が高い」ということです。ステージIの極めて早期であれば、開腹手術を行わず内視鏡的切除(ESD/EMR)だけで完治を目指すことができ、身体への負担も最小限で済みます。無症状のうちに定期検診を受けることこそが、命を守る最大の防壁となります。