「短髪=清潔」という単純な方程式は、すでに過去のものとなりつつある。かつて社会人男性の髪型における「清潔感」とは、耳にかからない長さや襟足の短さを指す言葉だった。しかし、現在の解釈は大きく異なる。毛先までのケアが行き届いているか、ツヤとまとまりがあるかという「メンテナンスの質」こそが評価の指標へと移行したのだ。
都内の有名サロンでトップスタイリストを務める男性は、現場の空気感をこう語る。「ボサボサで放置された短髪よりも、手入れの行き届いた艶やかなロングヘアのほうが圧倒的に品がある。そう考える人が増えました。髪を綺麗に伸ばすには時間もコストもかかる。身だしなみにそこまでの情熱を注げること自体が、生活や精神の余裕を物語るステータスになっているんです」。