直径およそ15センチ。通常サイズの倍以上もある巨大な皮。これを大量調理の現場で提供するのは、本来であれば無謀な挑戦だった。数百人分、時に千人分を超える給食を限られた時間内に焼き上げるのは物理的に不可能に近い。そこで現場の知恵として編み出されたのが、巨大な中華鍋やフライヤーで一気に揚げる「揚げ餃子」というアプローチだった。
包む手間を最小限に抑えつつ、一食あたりの満足感を極限まで高める。ひとたび油に投入されれば、黄金色の皮が風船のように膨らみ、内部に肉汁を閉じ込める。配膳室から運ばれてくるワゴンから漂う香ばしさに、授業中の児童たちがソワソワと時計を見上げる――学校給食が単なる栄養補給ではなく、エンターテインメントへと昇華した瞬間だった。