ネット上のQ&Aサイトや転職ブログでは、「労働基準法違反ではないのか?」という怒りの書き込みが散見されます。しかし、労働基準法における休日の規定を厳密に読み解くと、世間の直感と法律の建前には大きな乖離が存在します。
まず押さえるべきは、労働基準法第35条が定める休日の基準です。法律が求めているのは「毎週少なくとも1回の休日、または4週間を通じて4日以上の休日」に過ぎません。極論を言えば、年間わずか52日の休みでも、週1日休ませていれば第35条には違反しないことになります。
ただし、労働基準法第32条には「1日8時間・週40時間」という労働時間の上限が定められています。1年365日を7日で割ると約52.14週となります。週40時間×52.14週=年間の法定労働時間の上限は約2,085時間です。1日の所定労働時間が8時間の職場の場合、2,085時間÷8時間=最大実働日数は約260日となります。365日から260日を差し引いた数字こそが、法的に会社が与えなければならない絶対防衛ライン、すなわち労働基準法年間休日最低日数の「105日」なのです。
つまり、土日祝をすべて休みにする義務は法律のどこにも書かれていません。企業が祝日を出勤日にしようが、年末年始を平日扱いにしようが、年間休日が105日以上あり、週40時間枠に収まっている限りは完全に適法となります。「カレンダー通り=当然の法的権利」という思い込みこそが、入社後の最大の落とし穴と言えます。