約数の求め方で「いつも数え漏らしがある」と悩む受験生や保護者に向けて、ここからは大手塾の難関コースで必ず伝授される中学受験 算数 約数 裏技を解禁します。それが素因数分解を活用したアプローチです。この技法を用いれば、実際にすべての約数を書き出す前に、まず約数の個数の求め方によって全体の正解数を確定させることが可能になります。
素因数分解とは、ある整数を素数だけの掛け算に分解する作業です。ノートの端に「すだれ算(連除法)」を書き、小さい素数(2、3、5、7…)で次々と割っていきます。例えば「72」を素因数分解してみましょう。
72 ÷ 2 = 36
36 ÷ 2 = 18
18 ÷ 2 = 9
9 ÷ 3 = 3
3 ÷ 3 = 1
これにより、72は「$2 \times 2 \times 2 \times 3 \times 3$」、すなわち「$2^3 \times 3^2$」と表せます。ここからが劇的な計算の裏技です。約数の個数は、それぞれの指数(掛け合わされている個数)に「1」を足して掛け算するだけで導き出せます。
【72の約数の個数】
2の指数は「3」 ➔ $3 + 1 = 4$
3の指数は「2」 ➔ $2 + 1 = 3$
個数の計算式:$4 \times 3 =$ 12個
なぜ「1」を足すのか。それは「その素数をまったく使わない(0個使う=1)」という選択肢が常に1通り存在するからです。この仕組みさえ理解すれば、どんなに大きな数値であっても「正解が全部で何個あるか」が瞬時に判明します。12個あると事前に分かっていれば、もし手作業で書き出して11個しかなかった場合、即座に「どこか1個見落としている」と気づき、セルフチェックが機能します。
さらに、この素数の組み合わせを表(グリッド)や樹形図に展開すれば、一切の漏れなくすべての約数を機械的に生成できます。2を0〜3個使う組み合わせ(1, 2, 4, 8)と、3を0〜2個使う組み合わせ(1, 3, 9)を総当たりで掛け合わせるだけで、12個の約数(1, 2, 3, 4, 6, 8, 9, 12, 18, 24, 36, 72)が完璧に揃うのです。
なお、難関校入試で頻出する約数の総和公式も、この素因数分解から直接導き出せます。72の約数をすべて足し合わせる場合、地道に足し算をする必要はありません。各素数のパーツの和を掛け算するだけで完結します。
総和の計算式:$(1 + 2 + 4 + 8) \times (1 + 3 + 9) = 15 \times 13 =$ 195
地道に足すと計算ミスを起こしやすい大きな数でも、この公式を知っていればわずか10秒で正確な数値を弾き出せます。