DIYによる練習マット製作において、ネット上で拡散している情報にはいくつかの危険な誤解が存在します。代表的な盲点を解き明かします。
最大の誤謬は、「柔らかいウレタンや低反発クッションを何重にも敷けば手首を痛めない」という思い込みです。確かに手首への衝撃は緩和されますが、過度に柔らかい下地はクラブヘッドが深く沈み込みすぎる現象を引き起こします。これにより、実戦では完全な大ダフリである打撃が「マット上では綺麗に抜けてナイスショットに見える」という偽りの成功体験を生み出し、過度なすくい打ちスイングを脳に定着させてしまいます。さらに、ヘッドが減速せずに潜り込んだ状態で手首が過伸展を起こし、かえって靭帯を痛める逆効果すら招きます。
いまやトレンドとなっている室内アプローチ用マットの現在とトレンドを見ても、求められているのは過剰な柔らかさではなく、「適度な反発力と摩擦抵抗」です。ウェッジのフェースを開いてロブを打つ、あるいはバウンスを適度に滑らせる感覚を養うには、芝下のクッション材に「硬度60〜70度の高硬度EVA」を採用し、本物のフェアウェイに近い接地圧を再現することが不可欠となります。
もう一つの落とし穴が「接着方法の選定ミス」です。木工用ボンドや強度の低い両面テープで人工芝とゴムシートを接着した場合、アイアンによる強烈なせん断応力(水平方向の引き裂き力)に耐えられず、わずか数日で層間剥離(剥がれ)が起きます。屋外や半屋内の温度変化も考慮し、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤(ボンドG17等)または厚手のブチルゴム系超強力両面テープを使用するのが、プロの施工現場でも用いられる不可欠の鉄則です。