2022年北京オリンピックは、高木菜那にとって栄光と過酷な試練が交錯する舞台となりました。連覇を狙った女子団体パシュート決勝(対カナダ戦)。日本チームは終始リードを保ち、金メダル獲得は確実視されていました。
しかし、最終周の最終第3コーナーで隊列の最後尾を走っていた菜那のバランスが崩れ、無情にもフェンスへと激突。結果は銀メダルとなりました。氷上で顔を覆い、号泣する菜那に駆け寄った妹・美帆と佐藤綾乃の姿は、多くの人々の涙を誘いました。
直後に行われた個人種目マススタートの準決勝でも転倒のアクシデントに見舞われ、失意の底に突き落とされたかに見えました。しかし、競技後の合同記者会見において彼女が見せた態度は極めて気高く、真摯なものでした。「最後までみんなで滑りきれなかった悔しさはあるが、このチームで走れたことを誇りに思う」と、自らの責任から逃げることなくチームメイトへの感謝を語り尽くしたのです。この姿はSNS上でも「これぞ真のキャプテン」「結果を超えた気高いスポーツマンシップ」と称賛され、彼女の人間性を強く印象づけました。