日本には世界で最も厳しいとされる銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)が存在する。所持はもちろん、部品の輸入や製造に至るまで厳格な網が敷かれてきた。しかし、技術革新の波はその鉄壁の包囲網に音を立てて風穴を開けつつある。
警察庁が近年警戒を強めているのが、3Dプリンターや市販の工業パーツを悪用した「ゴーストガン(密造銃)」の台頭だ。シリアルナンバーが存在せず、金属探知機をすり抜ける樹脂製パーツを組み合わせた銃器は、ダークウェブを通じて設計図が容易に売買されている。どれほど法律を厳格化しても、デジタル空間を経由した地下サプライチェーンを完全に遮断することは極めて難しく、法執行機関はかつてない見えない敵との戦いを強いられている。