白良浜の美しさを語る上で、背後に広がる南紀白浜温泉の存在を切り離すことはできない。その歴史は古代にまで遡り、『日本書紀』や『万葉集』には斉明皇后や有間皇子が湯治に訪れた記録が鮮明に残されている。千数百年の時を超えて湧き出でる硫黄の香りは、現代の海岸通りにも漂い、潮の香りと混ざり合って独特の情緒を醸し出す。
海で火照った身体を癒やすなら、波しぶきが届くほどの至近距離にある露天風呂「崎の湯」へ立ち寄るのが王道だ。太平洋の怒濤を間近に眺めながら熱い源泉に浸かる体験は、かつて皇族たちが愛した景観そのもの。砂浜の開放感と古湯の重厚さが隣り合うコントラストこそ、この土地が持つ唯一無二の魅力である。