本作を語る上で外せないのが、一度見たら脳裏から離れないミュージックビデオの強烈なインパクトです。映像監督の田中裕介が手掛けたMVの視覚的コンセプトは、昭和の国民的バラエティ番組『8時だョ!全員集合』(TBS系・ザ・ドリフターズ)のオープニング演出に対する真正面からのオマージュでした。
昭和歌謡番組を想起させる巨大な番組ロゴ、レトロなフォントのテロップ、階段セットからメンバーが降りてくる構図、天井から降り注ぐ大量の紙吹雪など、細部に至るまで昭和カルチャーへの偏執的なリスペクトが散りばめられています。フロントに立つメンバーが無表情に近い真顔で繰り広げるダンスの振り付けは、山口一郎自らが考案したアイコニックなステップであり、誰もが即座に模倣できるキャッチーさを備えていました。
バンドの後方で一糸乱れぬ華麗なパフォーマンスを披露しているチアガール出演者たちも、映像の完成度を決定づけた重要なファクターです。起用されたのは、プロのチアリーディングチームや実力派ダンサーたち。彼女たちの完璧にシンクロしたキレのある動きと、バンドメンバーのシュールな横ステップの対比が、計算し尽くされた視覚的グルーヴを生み出しました。この緻密なユーモア設計こそが、YouTube時代における国内外のバイラル現象を引き起こす決定打となりました。