深夜の静まり返った部屋で、クリックひとつが取り返しのつかない後悔を呼ぶ。インターネットの黎明期から続くこの現象は、日本独自の匿名文化と密接に結びついてきた。
かつて「2ちゃんねる」(現・5ちゃんねる)の開設者である西村博之が提唱した「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」という言葉は、今や別の意味で重みを増している。テキスト主体の掲示板で囁かれた都市伝説は、単なる怪談の枠組みを超え、集合知が生み出した現代のネットロアとして進化を遂げた。
奇妙な奇病の写真、不可解な音声ファイル、凄惨な事件現場の記録。ユーザーたちは恐怖を共有し、誰がより深い闇を知っているかを競い合った。自傷的な好奇心は、ネット空間における一種の通過儀礼として定着していったのだ。