モスキート娘を語る上で欠かせないもう一つのトピックが、「たこ焼き屋での生存説」です。作中ではサイタマの強烈な平手打ちによって建物の壁に叩きつけられ、血煙とともに粉砕されたかのように描写されました。通常であれば死亡退場と受け取るのが自然な幕引きです。
しかし、ファンの間で生存を信じる声が絶えなかった背景には、単なる願望だけでなく、のちに描かれた公式のイラストによる「伏線」が存在します。進化の家の創設者であるジーナス博士とアーマードゴリラが、敗北後に改心して「たこ焼きの家」という屋台を開業する後日談が描かれました。その看板の傍らに、手足をメカ義肢に換装し、頭部に控えめな触覚を残したウェイトレス姿の女性が描かれていたのです。
「あの看板娘はモスキート娘の生き残りではないか」という考察は瞬く間にネット中を駆け巡りました。公式から名言されることは長らくありませんでしたが、村田雄介氏自身が配信等で「義肢をつけてたこ焼き屋を手伝っている」という裏設定に言及したことで、ファンの間では生存が事実上の定説となりました。無慈悲な怪物から、慎ましく働くエプロン姿の看板娘へというギャップ萌えが、彼女の人気をさらに決定的なものにしたのです。