かつて重厚なコットン素材で作られていたフットボールキットは、時代の変遷とともにハイテク機能服へと劇的な変貌を遂げてきた。1970年代から1980年代にかけてのクラシックな襟付きデザイン、1990年代を象徴する幾何学的で大胆なグラフィックパターン。それらは今、ヴィンテージ市場でカルト的な人気を博し、Z世代を中心とするファッショニスタたちの定番アイテムとして再評価されている。
そして北米3カ国が舞台となる2026 FIFAワールドカップを見据え、ユニフォームの設計思想はさらなる次元へと突入した。猛暑や長距離移動、過酷な気候変動に対応するため、極限の通気性と軽量化を両立するエンジニアードファブリックが標準化。かつてリオネル・メッシがトロフィーを掲げた歓喜の夜に纏っていたアルゼンチンのストライプのように、一着のシャツには歴史を塗り替えるモニュメンタルな重みが宿っている。