多くのファンが息を呑んだ決勝戦のチャイニーズ・タイペイ戦。完全アウェーの天母野球場で、日本代表がいかにして栄冠を勝ち取ったのか。その真相は、名将・馬淵史郎監督の采配と選手たちの徹底した役割遂行にありました。
1点を追う4回表、日本は夏の甲子園を沸かせた慶応高の丸田湊斗がセーフティバントで出塁。相手守備の虚を突く電光石火の揺さぶりからチャンスを広げると、内野ゴロの間に同点、さらに相手の隙を突く果敢な走塁で逆転に成功します。長打に頼るのではなく、1本の単打や小技、足を絡めて確実に得点をもぎ取るスタイルこそ、馬淵監督が大会前から掲げていた「1点を守り勝つ野球」の具現化でした。
投げてはエース左腕の前田悠伍(大阪桐蔭)が7回を投げ抜き、5安打1失点(自責0)と圧巻の投球を披露。ピンチを迎えても動じないマウンド捌きと、低めに制球されたチェンジアップを武器に、台湾の強力打線を封じ込めました。木製バットへの対応力、状況に応じた進塁打、ノーエラーの堅守。日本の伝統的な強みを国際舞台で完璧に昇華させたことが、世界一を掴んだ最大の勝因でした。