ネット上や一般的な健康情報の中には、エーラスダンロス症候群に関する重大な誤解が散見されます。当事者や家族が知っておくべき「絶対的な注意点」を整理します。
誤解①:「体が柔らかいのだから、ヨガや過度のストレッチで体をほぐすべき」
これは最も危険な誤解です。本症における過可動性は筋肉が柔らかいのではなく、関節を支える靭帯が伸び切って緩んでいる状態です。不用意なストレッチや過度なヨガのポーズは、関節包をさらに伸展させ、脱臼のリスクや関節の早期変形(変形性関節症)を加速させます。必要なのは「伸ばすこと」ではなく、「関節周辺の筋肉を鍛えて関節を外側から固定・安定化させること(等尺性筋力トレーニング)」です。
誤解②:「整体やカイロプラクティックの強い施術で痛みを治せる」
首や背骨を急激に捻るような高速度低振幅の手技(いわゆるボキボキ鳴らす整体)は、頚椎動脈解離や関節亜脱臼、神経損傷を引き起こす恐れがあり極めて危険です。徒手療法を受ける際は、必ず専門医の許可を得た上で、愛護的な理学療法にとどめる必要があります。
誤解③:「血管型でなければ、どんな検査や手術も普通に受けてよい」
古典型や関節過可動型であっても、組織の脆弱性は存在します。外科手術の際の皮膚縫合では糸が組織を裂いてしまうリスクがあるため、細い糸で密に縫合し、抜糸までの期間を通常の2倍近く長く置くなどの特殊な配慮が求められます。また、血管型の場合は、血管カテーテル検査や内視鏡検査などの侵襲的処置自体が血管・腸管穿孔の引き金となるため、可能な限り非侵襲的な検査(MRI/CT)が優先されます。