花壇やプランターで見頃を終えた水仙の葉を「見苦しいから」「片付けたいから」と青いうちに刈り取ってしまう行為は、植物生理学の観点から見れば、球根に対する兵糧攻めと同義です。水仙が翌年も花を咲かせるためには、球根の内部に充実した花芽を分化させるだけの十分なデンプンや炭水化物が蓄積されていなければなりません。 開花直後の球根は、花を咲かせるために貯蔵養分をほぼ使い果たし、スカスカに痩せ細った危険な飢餓状態にあります。この痩せた球根を再び丸々と太らせる唯一の手段が、花後に残された葉による約6週間から8週間の集中光合成です。緑の葉が太陽光を浴びて生成した栄養素は、維管束を通じて地下の球根へと猛烈な勢いで送り込まれます。 もし開花直後に葉を切断してしまうと、球根は自力で栄養を補給する術を断たれ、未成熟なまま休眠に入らざるを得ません。その結果、翌春に出てくるのは細々とした葉だけで、花茎は1本も立ち上がらない「ブラインド現象」と呼ばれる不開花に直面します。水仙の葉を切る時期は、どれほど見栄えが悪く見えようとも、「葉全体の7割以上が黄色く変色し、完全に倒伏した初夏(5月下旬〜6月中旬)」まで待つのが鉄則です。
水仙の花が終わったら葉を切るな!毎年見事に咲かせる花後管理の決定版
•
•
1分で読める