結論から明示すると、歌広場大宮店(正式名称:カラオケ歌広場 大宮東口店)はすでに閉店しており、2026年現在も営業していません。かつて大宮駅東口の徒歩数分、飲食ビルの一角に構えていた店舗は完全に撤退を完了しており、現地には別のテナントが入居しています。
なぜあれほど多くの客で連日満室となっていた人気店が姿を消すに至ったのでしょうか。業界関係者の証言や運営会社である株式会社クリアックスの動向を辿ると、歌広場大宮の閉店理由は単なる一店舗の不振ではなく、カラオケ業界全体を襲った構造改革に起因していることが浮き彫りになります。
最大の転換点となったのは、2020年から2021年にかけて吹き荒れた新型コロナウイルス感染拡大に伴う営業自粛の波でした。歌広場をチェーン展開するクリアックスは、当時約80店舗近くあった首都圏の店舗網を抜本的に再編。特に繁華街の雑居ビルに入居し、家賃比率が高くフロア面積あたりの席効率がタイトだった郊外主要駅のサテライト店舗を中心に、大規模な店舗統廃合を断行しました。その過程で、埼玉県内の拠点であった大宮東口店も戦略的撤退の対象となり、惜しまれつつシャッターを下ろす決断が下されたのです。
公式発表資料や帝国データバンク等の業界動向調査を見ても、2020年代前半にカラオケ業界は「夜間宴会需要の蒸発」と「固定費負担の激増」という二重苦に直面しました。大宮のようなメガステーションの繁華街は賃料水準が極めて高く、薄利多売モデルを前提とする低価格カラオケチェーンにとって、客足が制限された際の赤字額は致命的なレベルに達します。大宮店の撤退は、企業防衛とグループ全体の財務健全化を図るための冷徹な経営判断の結果であったと言えます。