近年の政局報道では、「党三役」だけでなく「党四役」あるいは「党五役」という表現が定着しています。この違いは何なのでしょうか。
結論から言えば、基本の三役に「選挙対策委員長(選対委員長)」を加えたものが「党四役」であり、さらに「国会対策委員長(国対委員長)」を加えたものが「党五役」です。
選挙対策委員長は、かつて幹事長の下に置局されていた「選挙対策総局長」が格上げされて誕生したポストです。2007年の参院選惨敗を機に、選挙の現場指揮を専任で行うポストとして2008年の福田康夫総裁時代に総裁直属の委員会へ改編され、党則上も主要役員として位置づけられました。以降、「党四役」と呼ぶメディアが一気に増えました。
選対委員長は候補者の公募、推薦、当落予想の分析、遊説日程の管理などを担当します。ただし、最終的な公認権は依然として幹事長が握っているため、実務上の調整責任者という側面が残ります。小泉進次郎氏など知名度の高い中堅幹部が就任し、選挙の「顔」として機能させることが多いのも特徴です。
一方の国会対策委員長は、国会内で野党の国対委員長と水面下の交渉を行い、法案の成立日程や審議時間を仕切る「国会運営の現場監督」です。法律の条文を1字1句争うよりも、野党の顔を立てながら本会議や委員会を滞りなく回す「寝技」の技量が求められます。極めて重要なポストですが、党内規定上の「役員」とは別格の扱いを受ける歴史が長かったため、メディアの文脈によって五役に含めたり含めなかったりします。