なぜアルコールを断つだけで、過度な運動をしなくても体重が落ちていくのでしょうか。そこには肝臓の代謝順位という決定的な人体のルールが存在します。
アルコールは体内に入ると「異物(毒素)」として認識されます。そのため肝臓は、食事から摂取した糖質や脂質の代謝を後回しにし、最優先でアルコール毒素の分解にかかりきりになります。この間、エネルギーとして使われるはずだった食事中の脂質や糖質は分解されず、そのまま内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積へと直行します。「お酒自体はエンプティカロリーだから太らない」という説は完全な誤解であり、正しくは「他の栄養素の脂肪燃焼を完全にストップさせる触媒」なのです。
さらに飲酒は、満腹中枢を司るホルモン「レプチン」を抑制し、食欲を刺激する「グレリン」を急増させます。お酒を飲むと揚げ物や〆の炭水化物が無性に欲しくなるのは意志の弱さではなく、脳内の神経伝達物質による暴走です。禁酒を実行すると、この異常な飢餓シグナルが正常化し、自然と1日の総摂取カロリーが適正値へと戻っていきます。
肝臓がアルコール処理から解放されると、本来の役目である脂質代謝機能がフル稼働を始めます。蓄積されていた内臓脂肪が効率よくエネルギーとして使われ始めるため、特にお腹周りの脂肪が目に見えて削ぎ落とされていくのです。