紙の部数減少を補うべく、朝日新聞社はいち早くデジタルシフトを推進してきました。しかし、その収益構造の転換は容易ではありません。
現在、朝日新聞デジタル 有料会員数は約30万人強にとどまり、日経電子版(約100万人超)と比べても大きく水をあけられています。記事単体での課金やサブスクリプション収入だけでは、紙の購読料(年間約5万〜6万円/件)と紙面広告収入の喪失分を到底カバーしきれないのが実情です。
同社は2020年度決算で、紙面印刷工場の減損処理や早期退職募集費用の計上により、約441億円という過去最大の最終赤字を記録しました(朝日新聞 業績 赤字 経緯)。その後、大規模な人員削減や不動産事業(中之島フェスティバルタワーなどの賃貸ビル収益)による下支えで黒字復帰を果たしたものの、本業である「言論・報道事業」単体での抜本的な収益モデル確立には依然として課題が残されています。