政治家の腕時計図鑑|ロレックス愛用と庶民派アピールの真相

政治家の腕時計図鑑|ロレックス愛用と庶民派アピールの真相

政治家の腕時計図鑑|ロレックス愛用と庶民派アピールの真相に関する深掘り解説を丁寧に解説いたします。

永田町における腕時計の選択は、その政治家の出自やキャリア、そして自負を克明に映し出します。報道各社の取材データやテレビ番組の密着映像、関係者の証言をもとに、代表的な政治指導者たちが身につけてきた象徴的なタイムピースを紐解きます。

岸田文雄前首相が外相時代から長年にわたって愛用していたのが、ロレックスのコスモグラフ デイトナ(Ref.116520)です。黒文字盤の精悍なクロノグラフは、初当選時に支援者らとの記念や自身の記念碑として手に入れたと伝えられます。しかし、首相就任時にはネット上で「庶民感覚とかけ離れている」「資産家アピールか」といった批判の対象となり、公の場ではセイコーのアストロンやグランドセイコーを着用してバランスを取る場面が見受けられました。

対照的に、独自のスタイルを貫き通して批判を寄せ付けないのが麻生太郎自民党最高顧問です。仕立ての良いオーダーメイドスーツの袖口から顔を覗かせるのは、世界三大複雑機構ブランドとして知られるブレゲ(Breguet)のクラシックをはじめとする超一級品。資産規模や名門の出自が広く認知されている麻生氏の場合、中途半端な庶民派ポーズをとるよりも「ブレゲを着こなす重鎮」としてのダンディズムがひとつのキャラクターとして定着しています。

一方、長期政権を築いた安倍晋三元首相は、外交舞台と国内遊説で使い分けを徹底していました。2016年のリオ五輪閉会式で「マリオ」姿で登場した際に着用していたのは、オメガのスピードマスター プロフェッショナル。アポロ計画に採用された歴史的クロノグラフを選ぶ一方で、国内の公式行事ではセイコー アストロン GPSソーラーや国産最高峰のミニッツリピーターを着用し、日本のものづくり技術を世界に発信する役割を担っていました。

さらに、叩き上げの代名詞とされた菅義偉元首相の手首にあったのは、セイコーのドルチェ。サファイアガラスを備えた薄型の実用クォーツ時計であり、数十年にわたり電池交換やメンテナンスを重ねて愛用してきたエピソードは、「無駄を嫌う実務家」というイメージ戦略と完璧に合致していました。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。