爪の変色や形状の変化は、高血糖状態が慢性化しているサインとして現れるケースが少なくありません。糖尿病の初期段階では喉の渇きや多尿といった典型的な自覚症状が出にくいものの、末端の組織では静かに障害が進行しています。
爪に異変が生じる決定的な理由は主に2点あります。1つ目は、持続的な高血糖による末梢血管の血流不全です。爪を形成する爪母(そうぼ)と呼ばれる部分へ十分な酸素や栄養が届かなくなると、爪の成長が阻害され、濁りや脆(もろ)さ、変形が生じます。
2つ目は、免疫機能の低下に伴う感染症のリスク増大です。糖分を多く含む血液は細菌や真菌(カビ)にとって格好の増殖環境となり、健康な状態であれば防げるはずの菌にも侵されやすくなります。「単なる爪の荒れ」と見過ごすことで、背後に潜む代謝異常の発見が遅れる事態は避けなければなりません。