シニア世代のワードローブにおいて、不動の定番として鎮座しがちなのが「お尻が隠れるチュニック」と「華やかな大柄フラワープリント」です。しかし、これらこそがプロのスタイリストから最も厳しく指摘されるチュニックや花柄がNGな理由の筆頭に挙げられます。
お腹やヒップ周りを完全に布で覆い隠そうとするチュニックは、視覚的にウエスト位置を消失させ、全身を寸胴に見せる効果しか生みません。加齢によって背中や肩周りに丸みを帯びてくるシニア世代がだぼっとしたトップスを着ると、布がテントのように広がり、実際の体重以上に「恰幅の良さ」と「生活感」を強調してしまいます。隠そうとする心理そのものが、外見のシルエットを崩す引き金になっているのです。
また、顔色を明るく見せようとして選びがちな原色ベースの花柄や、コントラストの強すぎる総柄プリントは、現代の街並みから浮き上がり、昭和・平成の「おばあちゃん服」の記号として処理されてしまいます。柄の主張が強すぎると、衣服に顔立ちの印象が負けてしまい、かえって肌のくすみやシワが際立つという皮肉な結果を招きます。
これらを解消するシニア体型カバーの正解は、「覆い隠す」ことから「縦のラインを錯視させる」アプローチへの転換です。ハリ感のあるロングジレを羽織る、あるいはセンタープレス加工の入ったストレートパンツで脚のラインをまっすぐ見せるなど、直線的なラインを1本通すだけで、全身の引き締め効果は見違えるほど高まります。