星由里子の名を国民的スターへと押し上げた金字塔が、1961年に始まった『若大将』シリーズです。加山雄三演じる主人公・田沼雄一(若大将)が恋焦がれるマドンナ「澄子」役を演じ、全11作にわたって息の合った掛け合いを披露しました。
スクリーンに映し出される彼女の若い頃の美貌は、澄んだ大きな瞳と品格あふれる佇まいが際立っていました。当時の一般的な「男性に尽くすおとなしい女性像」とは一線を画し、時には若大将の優柔不断さに怒り、自分の仕事に誇りを持つ「自立したモダンガール」としての澄子像は、当時の若者世代に強烈な憧れを抱かせました。
当時を振り返るインタビューで、加山雄三は次のように語っています。
「由里子ちゃんは本当に頭が良くて、現場の空気を一瞬で明るくする太陽のような人だった。澄子という役は、彼女の持っている潔さや優しさそのものだったよ」
実生活での二人のロマンスを期待する声も絶えませんでしたが、互いにプロフェッショナルとして深く信頼し合う「生涯の戦友」としての絆を貫きました。この徹底したプロ意識こそが、半世紀以上を経た今も作品の魅力を色褪せさせない決定的な要因となっています。