事務所撤去の決定的な後押しとなったのが、全国で運用が強化されている暴力団排除条例だ。この条例の浸透によって、組織に対する社会的な網の目は決定的なものとなった。
特に影響を強く受けたのが不動産業界である。現在、土地や建物の売買・賃貸契約において、暴力団関係者への利益供与や契約締結は厳格に禁止されている。反社会的勢力であることが判明した時点で契約は解除され、取引に関与した業者も厳しいペナルティを科されるリスクを負う。
この法的な枠組みができたことで、不動産業界は一斉に暴力団排除へ舵を切った。浅草の一等地にある暴力団事務所の跡地や周辺物件についても、権利関係の整理が進み、正規のデベロッパーや投資家の手が入りやすくなっている。不透明な資金循環を断ち切り、健全な不動産市場を取り戻したことが、現在の再開発ラッシュを支える基盤となっている。