現代のサブカルチャーにおいて、太上老君のパブリックイメージを決定づけたのは、1990年代後半から2000年代にかけて大ヒットした藤崎竜氏の漫画版『封神演義』でした。作中での太上老君は、いつも眠そうに巨大なスーツ型宝貝「怠惰スーツ」に身を包み、争いを好まない究極のマイペースキャラとして描かれています。しかし、いざ事態が動けば全キャラクターの頂点に君臨する頭脳と能力を発揮し、読者の絶大な支持を獲得しました。
ソーシャルメディアやファンコミュニティでの言及を追跡調査すると、「飄々とした老人が実は作中最強」という属性萌えの原体験として太上老君を挙げる声が、20代から40代の幅広い世代で根強く確認できます。「子どもの頃は悟空の敵役のおじいさんだと思っていたが、神話の原典を知って格の高さに戦慄した」「あらゆる強力アイテムの持ち主が全部この人の弟子や盗難品という事実が面白すぎる」といった、設定の深みに対する再評価が目立ちます。
また、現代のゲーム作品(『Fate』シリーズの概念や各種東洋ファンタジーRPG)でも、鍛冶や調合システムの祖としてその名が引用され続けています。直接姿を見せずとも「老君の丹薬」「八卦炉の炎」といったアイコンが作中に登場するだけで、古参ゲーマーは「最上級の強化素材が手に入る」と直感的に理解するほど、共通認識として定着しています。