タッセル(英語:tassel)とは、織物や編み物の端から出た糸、あるいは複数本の紐や糸を一箇所で束ね、先端を垂らした「房状の装飾」全般を指します。ラテン語で結び目を意味する「taxillus」が語源とされ、ヨーロッパでは織物装飾の伝統工芸技術である「パスマンタリー(passementerie)」の代表格として発展してきました。
しばしば混同されやすいのが、日本古来の房飾り(ふさかざり)との違いです。構造上の原理は共通しているものの、文化的背景と発展の文脈に明確な差異があります。
日本の房飾りは、神社仏閣の調度品や神輿、着物の帯締め、扇子の飾りなどに用いられ、組紐(くみひも)文化と深く結びついて発展しました。精神性や格式、邪気払いの意味合いが強く、直線的で凛とした静けさを感じさせるデザインが特徴です。一方、西洋のタッセルは布張りの家具や重厚なカーテン、宮廷衣装を華美に装飾する目的で発展し、木製の芯(モールド)に糸を幾重にも巻き付けたりビーズを編み込んだりする、立体的かつデコラティブな造形美に強みを持っています。