夫婦で話し合いを重ねてもなお3人目踏み切れない理由の筆頭に挙がるのは、直感的に察知している「生活の激変」に対する防衛本能です。子どもが2人までは、両親がそれぞれ1人ずつを担当することで外出や突発的な病気にも対応できます。しかし、3人目が加わった瞬間に大人の頭数を子どもの数が上回り、これまでの家庭内オペレーションが根本から通用しなくなります。
多くの家庭が直面する3人目世帯年収の現実は、決して甘いものではありません。民間調査や家計相談の現場データによると、子ども3人を育て上げる世帯年収の目安として「最低でも800万〜1,000万円」を挙げる声が多数を占めます。手取り額で考えた場合、年収800万円でも月々の手取りは約48万円前後に留まり、住宅ローン、食費、光熱費、日用品費を差し引くと、毎月の貯金可能額は数万円程度に落ち込むケースが珍しくありません。
「自分たちの収入で本当に3人を大学まで出せるのか」という不安から、熟考の末に3人目諦めた理由として多く語られるのは、贅沢をしたいからではなく「上の子2人に我慢をさせたくない」という切実な親心です。習い事の選択肢を狭めたり、進学先を制限せざるを得なくなったりする未来を危惧し、ブレーキをかける家庭が極めて多いのが実情です。