安藤百福の波乱に満ちた挑戦を語る上で欠かせないのが、妻・安藤仁子の存在です。2018年度後期のNHK連続テレビ小説『まんぷく』でヒロインのモデルとなったことでも大きな注目を集めました。
全財産を失い、貧困に喘ぎながら研究小屋にこもる夫を、仁子は愚痴一つこぼさずに支え続けました。日々の食事を切り詰め、研究費を工面し、夫が試作した麺を一番最初に味見して率直な意見を伝える。彼女の朗らかさと深い信頼が、百福の折れそうな心を何度も救いました。
百福自身も後年、「妻の内助の功がなければ、チキンラーメンもカップヌードルもこの世になかった」と公言しています。逆境にあっても夫の夢を信じ、共に歩んだ仁子との絆は、昭和を代表する美しい夫婦の肖像として今も語り継がれています。